TeX/LaTeXでの変数の書体や数学記号の表記法のまとめ【TeX/LaTeX】

プレゼンテーションや文書、Jupyter NotebookでTeXで数式を書いている時に、「あれ、ベクトルの変数ってどういう風に表現するっけ……?」という感じに毎回なっている気がするので、プログラミング言語の命名規則みたく自分の表記法をメモしておくことにしました。

表記法について

まず最初に、数学記号や書体については厳密な規則は無いそうです。なので、ベクトルや行列の書体をどうしようと問題ありません。

しかし、自分の書いた複数の文書や、そもそも同じ文書内でベクトルが複数の書体で登場したり、はたまた同じ数式内で書体の違う2つが実は性質的に同じであったとなると、かなり読み難くなってしまいます。

そこで、自分なりにTeXで数式を書く際に参考にする、書体や数学記号を定義しておけば、これまで悩む度に調べて見つけた適当な書物の表記法を参考にしている事による表記ブレは避けられるはずです。

注意点として、ここに記す表記法はあくまで僕が納得行くだけの所謂オレオレ表記法で、数学の公式な表記法では恐らくありません。

同じように表記法に悩む人は、これをそのまま採用したり、少しアレンジして自分の表記法を作ったりしてください。

また、自分はこういう表記法を使っている等ありましたら、ぜひ見てみたいのでコメントにてお願いします。

表記法

種類 表記法 表記例 LaTeXコード
変数 イタリック体 $x$ x
行列 イタリック体 + 太字 + 大文字 $\boldsymbol{W}$ \boldsymbol{W}
行列の括弧 角括弧 $\boldsymbol{W}=\left[\begin{array}{cc}1&0\cr0&1\end{array}\right]$ \boldsymbol{W}=\left[\begin{array}{cc}1&0\\0&1\end{array}\right]
行列の転置 サンセリフ体のT $\boldsymbol{W}^\mathsf{T}$ \boldsymbol{W}^\mathsf{T}
ベクトル イタリック体 + 太字 $\boldsymbol{b}$ \boldsymbol{b}
ベクトルの括弧 角括弧 $\boldsymbol{b}=\left[\begin{array}{c}1\cr0\end{array}\right]$ \boldsymbol{x}=\left[\begin{array}{c}1\\0\end{array}\right]
数字 立体 $3$ 3
集合 イタリック体 + 大文字 $G$ G
集合の要素 イタリック体 $a \in A$ a \in A
有名な集合 黒板太字 $\mathbb{N}, \mathbb{R}$ \mathbb{N}, \mathbb{R}
微分(一変数) ダッシュ $f^{\prime}(x)$ f'(x)
微分(多変数) イタリック体のd $\frac{df}{dx}$ \frac{df}{dx}
関数 イタリック体 $f(x), H(x)$ f(x), H(x)
定数 イタリック体 $C, \pi, e$ C, \pi, e
複数文字の関数 直立体 $\mathrm{sin}(\pi), \mathrm{MSE}(\boldsymbol{y}, \boldsymbol{\hat{y}})$ \mathrm{sin}(\pi), \mathrm{MSE}(\boldsymbol{y}, \boldsymbol{\hat{y}})
複数文字の定数 直立体 $\mathrm{true}, (\mathrm{otherwise})$ \mathrm{true}, (\mathrm{otherwise})
数式中の日本語 明朝体 $\text{数式中の日本語}$ \text{数式中の日本語}
コロン :と直打ちしない $U(x)\colon\text{単位ステップ関数}$ U(x)\colon\text{単位ステップ関数}
ベクトルの内積 ・と直打ちしない $\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{b}$ \boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{b}
行列のアダマール積 〇と直打ちしない $\boldsymbol{A}\circ\boldsymbol{B}$ \boldsymbol{A}\circ\boldsymbol{B}

こういう時はこうする

以下は特定の状況で使える表記法です。

行列からベクトルを取り出す

行列中から行ベクトルを取り出す場合は、行列の変数を小文字にして添え字1つ付けます。取り出した後はベクトルであるので、行ベクトル表記でも列ベクトル表記でも良い事とします。列ベクトルを取り出す場合は小文字に対して転置表記をします。

  \boldsymbol{X}=\left[\begin{array}{ccc}1&2&3\cr4&5&6\end{array}\right],\quad
  \boldsymbol{x}_1=\left[\begin{array}{c}1\cr2\cr3\end{array}\right],\quad
  \boldsymbol{x}^\mathsf{T}_1=\left[\begin{array}{c}1\cr4\end{array}\right]

\boldsymbol{X}=\left[\begin{array}{ccc}1&2&3\cr4&5&6\end{array}\right],\quad
\boldsymbol{x}_1=\left[\begin{array}{c}1\cr2\cr3\end{array}\right],\quad
\boldsymbol{x}^\mathsf{T}_1=\left[\begin{array}{c}1\cr4\end{array}\right]

数式中の日本語で\text{日本語}が使えない

\mbox{日本語}を使います。

2つのベクトルの変数を取る関数を書く

ベクトルを意味するコマンドにカンマを含めないようにします。

  f(\boldsymbol{x}_1, \boldsymbol{x}_2)

f(\boldsymbol{x}_1, \boldsymbol{x}_2)

参考文献

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